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2009年01月05日
麒麟山ぽたりぽたり 師匠がお越しに…
本日 開店後すぐ 師匠と姉さん(奥様)がお越しに
なられました 本来なら自分が出向くのが筋ですが
営業を早くしている という事もあり…
昔なら 緊張のあまり 数メートル近くに寄る事すら
適わなかった師匠も今では心無しか穏やかな御仁
ここだけの話 関西料理界で「鬼の……」と呼ばれ
盛付けが1ミリずれただけで傍にいる調理師7~8人
がシバかれたり(汗 その剃刀の様な切れるオーラ
は戦慄ながら良き記憶として刻まれています
人並み外れた慣性 センス 仕事に一寸の予断も
許さなかった正に「鬼の人」ですが 同時に人情も
熱く 今でも全国から数百人余の後輩が毎年
代わる代わる挨拶に来る…そういう方です
私も小さいながら一国の主として 昔の様に
叱られる事は無くなりましたが その業を受け継ぐ者
として自覚はしっかり持ち 何時までも師匠の名を
汚す事の無い そういう仕事を心掛けています
そんな師匠も姉さんと2人の時は仲睦まじき夫婦です
鋭い眼光は相変わらずですが 表情は優しく…
新年のご挨拶と料理をしながら近況報告を
「昼営業 近々再会する予定です」
「そうか… それが正解かもしれんな 頑張れよ」
と 言葉を頂いた後
「相変わらず 頑張り屋さんだが 体が疲れていると
味付けが濃くなる事があるから充分 留意してな」
「分りました 気をつけていきます」
本当に ありがたい言葉です。
今一度 足元を再確認して 気の緩む事の無い様に…
「きちんとした仕事を何時も心掛けてしていれば
お客様もちゃんと適正価格で喜んでくれる」
本当に その通りだと思います
「もう うちの店も25年になったんだ… 不思議なものだ」
「25年ですか… 世間体にも立派な“老舗”ですね」
「”老舗”…はは、 そんなものかな…」
いやいや 身内びいきな意見ながら 高島屋でも
大丸でも… 立派に老舗としての姿勢を誇示され(汗
それでも胡坐を掻かず 何時も前線へ立って全てへ
気配りされている姿 ただただ尊敬の念ばかり
その“老舗”の黎明時代に仕事させて頂けた事
今でも私の誇りです。 やんちゃで迷惑ばかりかけていた
坊主でしたが(笑)
料理人として駆出しの頃 兄さん達から受け継がれて
きた「職人」としての語り話…悠久さながら
今度は自分達が後輩達へ語り継ぐ番ですね
何時までも変わらない「料理人の想い」を
さて(笑)12月にお勧めしていた新酒の紹介です
新潟県 麒麟山酒造「ぽたりぽたり」
表記の通り 搾りたて生酒
蔵人さん達自ら田植え 稲刈り作業に携わる五百万石を
用いて仕込まれる時期限定の清酒です
私は個人的に通年「麒麟山 純辛」を好んで使用しますが
この時期だけは「ぽたりぽたり」を愛用します
清酒ならではの四季を感じとれる 至福の時です
しぼりたてながら 優しく フレッシュ感溢れる…しかし
力強い そんな風味と口当り 原酒らしき荒々しさは然程
感じず 何かのフルーツを齧っている様な
失礼ながら この方面の蔵元造りとは少し違う
独特な味わいに魅かれ 今でも飲み続けているのですが
変わらぬ その秀でた造りにただ安心の一言
一言で喩えるなら「優しき 良き時代を彷彿する酒」
燗などでも頂いてみましたが 結局 この酒の真価を
味わうのに 冷やか常温が良い様です
去年 この銘柄を「燗で!」と言われたお客様に
「このお酒 冷やで頂くのが宜しいかと思いますが?」と
言ってその相手にムッとされた そんな記憶もあった様な(笑)
いや…そりゃ 黙って燗につけて出すのも一考でしょうが
店にある銘柄 全て自分で利いて入荷しているので…と
その方には つまらぬおせっかいだった という教訓です
それ以降 自分から進んでお客様にはおすすめの飲み方は
しない様にしています 不親切 といえばそうですが
聞いて頂けた時だけ お答えする様に と
これを もし料理に喩えたとするなら…恐ろしい事ですが
まあ 「趣向品」ならではの観念なのでしょうね
とオチになっていない締めで(汗
投稿者 wasabi-ya : 2009年01月05日 05:54