« 年末らしいですねえ…情けなくも | メイン | 厳しい最中なれど 華やかに♪ »
2008年12月24日
総括(料理人としての自分)
「料理人」としての括りは難しいですね…
しかし 客観的に見て 厳しい事を言いたくなる
そんな自分が多々あった1年でもありました
ある程度の期間修行し 独立し 年数が経つと
全ての決定事項やそれに伴う行動に対し
他人の干渉を受ける事が殆ど無くなります
自分の姿を何時も鏡で見 お客様との会話、
評価に対し細心の注意を心掛けていないと
何時 どのような落とし穴に嵌るか 判りません
料理屋 として当然 売りは料理ですが
商売としてみた場合 料理のみならず接客等
来店されてから帰られる時までの全てが「仕事」
水面下での業務 アフター お付合い等を含め
縛りが非常に難しいのです
美味しい料理を提供しても 安心価格で提供しても
それだけで満足されないお客様もおられます
どの職業でもありうる事で それが商売ですから
料理人 という部分的な解釈で考えれば 今年
自分の仕事の中で基本は守るも“新たな挑戦”と
いう部分では乏しかった…そんな印象です
諸事情 外部要因など様々な理由はありますが
言い訳せず 厳しく 自分は受け止めています
お客様からは見えない部分 例えば仕入れ過程
仕込みの状況 あと形付け そういう部分も含め
全て行動の起因は自分が今まで勉強していた
知識や経験等が基本になります
清潔さ 心構え 言葉遣い など 職能的な部分
勉強する というよりは継続し 変革させてゆく…
という方が正しい表現でしょうか。
どの料理人でもする試みですが 味付けを少し
変えてみよう、盛り付け きり方をこうしてみよう、
この器で提供してみよう…
和食と旬の食材は切っても切れない関係ですから
この時期にはこれを使おう もうすぐこれだな…
そろそろ 市場にあれが入荷しているかな?
そういう段階を経て 今自分の店を構えている訳で
年数が経ち 常連様も定着する中で「継続するもの」
「変革するもの」様々な課題がうまれてきます
私の履歴を知っている方々にはご理解頂ける話ですが
お酒と料理の取り合わせ…等の課題は自分が
店を立ち上げる際の「テーマ」にもしていた科目
そこに自分が修行で経験してきた知識を織り交ぜ
どこの店にも見られない自分だけの「カラー」として
お客様に見て頂いてきたわけです
何故か 回顧になりますが(汗 ↓
本業は「懐石料理」ですが旬の“かに”や“ふぐ” また
寿司などの多分野は自分が修行時代に休みの日を
潰して知合いの店に入り 教えて貰った事や
朝早く 河岸でただ働きしながら勉強した事ばかり
「若いのに やるねー 兄ちゃん♪」と
沢山の方にモーニングご馳走になったり(笑)
飲みに(飲めないのに)連れて行って頂いたり
当時朝3時から始まる「セリ」の現場やすっぽん、鰻の
さばきをするのにあくびをしてよく怒られていました(汗
200キロ強のマグロ解体作業もよく見せて頂きました
バブル全盛期の最中 人手が足りないという事情も
ありましたが ご縁で関西のホテル、料亭、割烹に
出張し 年齢の割りに 沢山の環境で多くの仕事を
体得する事もさせて頂けました
25歳 という若い年齢で今から思えば人間として
未熟者でありながら「料理長」という役職に就かせて
頂き 辛い思いも沢山しましたが学びも多かったです
この時「役職は人を育てる」という身をもって体験した事
今でも自分の宝として生き続けています
そしてこの位から少しづつですが将来に対しての
ビジョンを考え始め…丁度 バブル崩壊の時期も重なり
師匠に無理を言って「居酒屋」でも働かせて頂きました
この時代 とても勇気のいる行動でしたが
師匠は面接の時も同行してくださり(驚 代弁して
私を引き立ててくれて…今でも感謝の念に絶えません
兄さん衆からは「店長でもやりたいんかい!」と厳しい
意見を言われたり…色々ありましたが
今だから告白出来ます…「籠の中の鳥」は外の世界を
何時も見たいもの かといえ師匠 兄さん達の心境も
お察しします 「一流」だけでは商売は成り立たない
儚くも現実 その予感は的中し 現在は「職人」は死語
私の中では生き続けます 良き意味合いで
当時 ご心配をお掛けした事本当に申し訳ありません
師匠の下を離れ 大海原に出て十数年…
料理人を数年離れ 経営者としての勉強もしました
“経営幹部”として全国的な研修にも積極的に参加し
全国の異業種の方々と沢山のご縁も出来ました
心温かいお客様との触れ合いもあり 心底大阪が
好きになったのもこの頃からでしょうか
生まれは関東 が心底 気質は関西と相性が
良かったのかもしれません 運命でしょうか
で「鶏口となるも牛尾となるなかれ」に気付きます
“組織”の組閣に携わるも 有り難く経営に参画するも
自分の「生甲斐」を見極める「分岐点」になりました
「創業経営者」小さな事業なれど 生涯目標でした
そんな銘柄の酒もあったような(^-^;ゞ
苦手意識を言い訳する前に 兎に角 何でも吸収しようと
無我夢中に今まで駆けて来た…そんな感じです
修行時代の黎明期 縦社会が厳しく労働時間も今だから
言えますが驚異的な時間 給料 と言うよりは「小遣い」
一部屋6人の“たこ部屋”でただ寝るだけの時代も
今となっては全てが良き思い出です
良き時代に修行でき 良き人達に恵まれた事に感謝です
後に 師匠とその頃の時代の回顧をする時「確かに
あの時代は特殊だった…本当に頑張ってくれたな」と
言われる度 恐縮してしまうのですが
当然 丈夫に生んでくれた両親に一番感謝しています
やんちゃで よく停学の件 警察沙汰の件…等等(汗
夜中に警察へ呼び出されたり 離れた島で騒動を起こし
父親に身元引き受けに来て貰ったり…そんな愚息も
今では偉そうにこんな所でつらつらと書いている身分ですが
「身にはボロを纏えど 心には何時も錦を飾れ」
父が何時も言っていた台詞 今になって身にしみています
ちゃらちゃらしていて本当に落ち着きの無かった子供ですが
自分で言うのも恥かしいですが風格と毅然とした姿勢だけは
かっこだけですが一人風にやっています(笑)
親から見れば一生 子供ですが 私も今は人の親
人の人生相談も聞ける そんな身柄になれました
今まで 皆様のお陰で「料理人」として何とかやれています
今でも あの頃から思えば自分が料理に携わる仕事を
しているのが正直 不思議です(笑)飽き性ですぐに投げ出す
短気な性格のやんちゃくれが 見た目は年齢からして大人
ですが まだまだ未熟者である事には変わりありません

これから「料理人」を志す 若い方達へ自分からの伝言です
「苦労は買ってでもしろ」
「他人に流されない 確固たる価値観を持て」
「一生懸命やれば 誰かが必ず助けてくれる」
お金に替え難い経験 自分を高める為の知識の研鑽は
現代のテレビや本などで得る物では決してなく 体験してこそ
身につくもの。 他人は見てくれません 評価もしません
結果 あってこその世界 生涯認められないかもしれません
「給料が」とか「休みが」とかも若いなりに思う事沢山あっても
若いうちしか出来ない事があります 後悔しても後の祭り
将来の自分に明確な“夢”を持って しっかり生きて欲しい
現実 目の前で「人の死」を経験した自分だから…
「生」に対しての拘りは尋常ならざるものもありますが
職業を通じて「生きる」という事 大切な事だと痛感しています
この御時世だから より大切にしたい そういう想いです
よく「大変だ」「しんどい」など愚痴にする方を見受けますが
正直 しんどかったら辞めればよい 逃げればよい
自分で意思決定し 腹をくくってする事に言い訳や愚痴する事
人が聞いていて気持ちよい筈がありません
で 自分の器量で出来る事だから「問題」として顕在化する
必ず前向きに対処すれば解決します そして自分の財産に
私は男として生まれたので男性には特に厳しく言います
「男なら言い訳せずひたすらやれ 文句を言うな」と
明日から総理大臣をしろ とかけ離れた事じゃないし(笑)
人生 生きていれば問題なんて日々有りうる事
だからこそ日々の“凡時徹底”こそが大切なのだと
こんな未熟な私でもこの厳しい時代を何とか頑張れるのも
その修行時代 難しい事は考えず(迷惑いっぱいかけたけど)
ひたすら 見えない将来に向って仕事し続けた…その経験が
生きています。頑張った分だけ いづれ自分に帰ってきます
逆に言えば 努力しないのに それ以上の見返りはありません
料理 と言えば華やかな食材 とか今旬の食材とかメディアが
沢山 報道を重ねていますが実際の世界はかけ離れたもの
一部分だけを見て料理人になろうと思うのなら 長続きしません
私の周りでもそういう考えの人 何千人 何万人と見てきました
私が修行した時代とは違い 情報が氾濫している現代
簡単に色々な情報を手に出来ます ネット社会ならではの風潮
○○が美味しい と言えば 右倣えの如くそれに群がり
○○が偽装!や倒産!と言えば 事情を深く知りもせず
ともかく批判 知ったかぶり…
自分が体験した事 目で見た事 深く掘り下げて学んだ事
自分に自信を持って「謙虚さ」「感謝」を忘れず継続する事
それこそが「真の料理人」たる人の取るべき道だと思います
私も生涯 そういう料理人になりたく 今も勉強中の身です
風潮やへんな価値観にながされない料理人で有って欲しい
「料理」で技術を磨く事を通じて「人」を磨く事だと思います
「料理人」という職業は…
1割が技術 9割は人間(職場)関係 これが現実です
しみったらしい長文になりました非礼 お許し下さい
料理人の皆様にも良き来年でありますよう
皆様に感謝!
投稿者 wasabi-ya : 2008年12月24日 04:03
コメント
投稿者 saladman : 2008年12月25日 07:28
投稿者 たけ : 2008年12月26日 01:43